病気などが原因で発症する身体因性や、精神的なストレスによって発症する心因性など、うつ病には幾つかの種類があります。うつ病の治療先を選ぶ時は、メンタル的な症状を治したいなら精神科を受診して、内科的な治療が必要な際は心療内科を受診しましょう。
うつ病の治療として病院が行っているのは、抗うつ薬の処方です。薬は医師の指示通り服用する必要があります。途中で勝手に止めると再発する危険性があるためです。また再発を予防するためにうつ病の症状を見逃さない、ストレスを溜めないことが重要です。
うつ病を発症しないのが一番望ましいことですが、早めに気付くことで、治療もスムーズに進みます。不安なこと、違和感があれば、病院や周りに相談することが大切です。うつ病という病名を知ることも重要で、家族と主治医がサポート役となります。
35歳以上の働き盛りと言われる年代がうつ病を発症する割合が増えています。抗うつ薬を飲み始めて1ヶ月後から軽快に向かっていくのが期待できますが、本調子に戻るまでは1年から2年を目安に考えておくのが妥当です。
うつ病になりやすいタイプは、完璧主義で几帳面な人、努力家で殻に閉じこもりがちの人などです。うつ病の原因は環境要因や性格傾向の他に、遺伝、慢性的疾患などがあげられます。予防法はストレスの蓄積を見逃さず、軽減に取り組んだり休養をとることです。
精神科・心療内科では、うつ病の診断のためには要因を把握しなければなりません。患者さんは、医師とカウンセラーから様々な聴き取りを受けることになります。憂鬱感、気分の落ち込みが2週間以上続いてしまったり、以前まで感じていたはずの達成感や喜びを抱けなくなったりするのも、この病気の特徴の1つです。さらに、何か毎日苛立たしげで落ち着きがなく、動きや考えるスピードも鈍くなります。身体のしんどさ、疲れやすさを自覚する患者さんも少なくないようですが、病気がそうさせているのです。また、うつ病は軽微と判断できるタイミングがあります。自分が価値のない人間であると考えたり、自分を強く責めたりするということ、こうした症状が出ていないタイミングです。命に危険が及ぶ前に病気は治すことが何より大切です。精神科・心療内科では、緊急性があれば、入院での治療を行うこともありますが、これは、患者さんを救い出すための最善の案です。従来の精神医学では、うつ病と診断さて、患者さんに休養を促し、抗うつ剤の服用を続けていけば、大半は3ヶ月ほどで回復すると考えられていました。現在でも、こうした治療が有効なうつ病もありますが、しかし、うつ病の特徴は時代とともに変遷し、必ずしもそれだけでは治療が功を奏さないうつ病が増えてきています。このように多様化する中でも、適切な治療を施すためには、どういったうつ病であるのかについて、常日頃から把握しているのが、精神科医・心療内科医です。なお、学会では、治療ガイドラインを定めていますが、そこには決して、薬物療法のみに依拠しない治療の考え方が記載されているようです。例えば、社会人のうつでは、職場復帰が必要で、環境調整のみではなく、家族間の調整、あるいは組織内での調整なども必要です。その患者さんが耐えきれないストレスから身を守ることができるよう、また、再発を防げるように環境調整も治療を行ううえで大切なことのようです。信頼関係にある担当医は、勤務先から友人関係など、支援する周囲の状況を含め、患者さんの内情まで把握しているそうです。
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